米を代表とする農産物に対する 安心、安全が叫ばれて、各農家がさまざまな取り組みを始めています。
県が認定する特別栽培米のや、国のJAS有機米など、公共機関がお墨付きを与える認証制度もさまざまなものが出てきました。
私たちの農場で栽培するスイカやブドウでも、もちろん栽培履歴をつくり、どんな農薬や肥料を、どのくらい何時使ったか記録しています。
しかし、各種認証制度や、栽培履歴をどんなに整備しても、
記録の信ぴょう性は個々の農家の信頼にゆだねられているのが今の現状です。
農家の皆さんが嘘の記載をするとも思えませんが、
すべて本当のことを書いているという証拠もありません。
昨年、こんなことがありました。
私たちの住む南魚沼の大多数の田んぼに、青虫が大発生し、
農協に薬剤が足りなくなるほど、それぞれの農家が殺虫剤を散布しました。
この薬剤は粉剤(小麦粉のような粉状の薬)です。
薬を散布機で散布すると、あたり一面が真っ白になり、
周辺の田んぼへ半分も飛び散っているのではないか?
そんな有様でした。
自分の田んぼには1回しか撒いていなくても、
田んぼの周囲の4辺からそれぞれ飛び散って入ってしまえば
最高で5回も一つの田んぼに殺虫剤を撒いたことと同じです。
これでも、県が認定する5割減、8割減農薬の登録には、いっさい問題ありません。
もちろん、JAS有機米の認定にも。(JAS有機米の田んぼに、この薬は散布できません)
さらに驚くことに、この殺虫剤はハンコがないと買えない劇薬です。
みなさん、どう思いますか?
このことをきっかけに、
結局、安心・安全な作物というのは、
各農家の資質にすべてゆだねられていると実感しました。
そんな思いから私たちの農場では、
生産する作物に対する思い、
作業の内容について積極的に告知をし、
顔を見てもらえる機会を広げたいと、ホームページを立ち上げました。
どうか、よろしくお願い致します。
もともと好きで始めた農業なので、
自然の中で、土と触れ合いながら
いつまでも、楽しく農作業をしていきます。
そして、やってみようと思ったことはどんどん挑戦して
作る我々も、そして作った農産物を食べてくれる人も、
幸せな農場にしたいです。
平成22年には、農産物の加工にも挑戦しました。
ワイン用葡萄のカベルネ・ソービニヨン100%ジュースです。
試験的な加工でしたので、数量も少なかったのですが、
思いのほかたくさんの反響がびっくり。
平成23年産へ向けての大きな自信となりました。
平成23年3月11日に東日本大震災が起きました。
石油コンビナートの停止により、トラックの燃料が足りません。
電気もなかなか復旧しません。
被災地に食料がなかなか届けられません。
農水産物を、石油を使って遠くから運搬することは
やはり間違っていたのではないでしょうか?
新幹線や道路網で地域同士が近くなった気がしていましたが
石油がなければ、何もできないことを痛感しました。
地産地消、もっともっと広がれば良いと感じています。
佐藤浩之
有限会社 エル・グリーン |
南魚沼の庭師 南魚沼市、魚沼市、十日町市 を中心に活動中 ![]() スタジオの庭 ![]() |